
今回は僭越ながら、私自身が挑戦しているマラソンサブ 3に向けた、この半年間の取り組みの報告と、そういった挑戦を始めたからか(関係ないとは思いますが)、いろいろ相談を頂けることも増えてきたので、スポーツ内科的な相談事例についてまとめてみたいと思います。
もしスポーツ内科的相談事例だけでも読んで頂ける方は、メニューの部分からスキップして進んで頂けると思いますので、読んで頂けたら嬉しいです。
もくじ
半年間の走行距離と練習方針
8月も終わりますので、まずは月間走行距離や半年の総距離について。
コロナウイルスによる緊急事態宣言、また職業的にも外での練習を控えていた時期もありましたが(自宅のスピンバイクをこいでました)、8月は毎月目標としている200㎞超えを達成することができました。
半年間では、おおよそ1000㎞くらいは走ることができましたし、5000mのタイムは18分30秒くらいと(トラックではなく、ただの道路で計測しただけですが)、自分の中でこの半年間は70点くらいの評価です。
この半年に関しては、僕は朝非常に弱く、また朝走ったあとに仕事をするなんてとても無理なので、大体仕事終わり、21か22時くらいから走りますが、初心者には耐えれないくらい暑い毎日でした。
土日に関しては、時間がある日は朝や夜走っていましたが、とにかく暑い暑い、途中でリタイアした日も多々ありました。
途中で練習に迷いが生じたが救ってくれたのは…
私は、フォームや練習メニューなどをほぼ全てYouTubeで勉強していますが、途中迷いが生じました。
だいたい初心者は通る道のようなのですが、YouTuberの方は「夏は暑くて思うように走れないので、短い距離を早いペースでこなしてサクッと練習を終わろう」という方が多いです。
しかしTwitter上でまさかの出会いがあり、目標がバシッと決まりました。
フル2時間20分ランナーとの出会い
おそらくひと昔前であれば、こんな初心者ランナーが、フルマラソンを2時間20分で走ってしまうようなエリートランナーと出会えることはほぼなかったと思いますが(しかも医療関係者!)、まさかまさか、ある日Twitterを眺めていたら、その方のプロフィール欄で医療関係者であること、そしてフルマラソンのタイムを知りました。
さらにプロフィール欄からブログをされていることを知り、そのブログを拝見すると、同じ県の方ではないか?と推測されたため、思い切ってDMを送ってみることにしました。
すると、なんとなんと!
スポーツ内科の講習会にも参加されていたとのことで感激!
ZOOMで直接相談に乗っていただけることとなりました。
夏はとにかく距離を意識することにした
直接ZOOMで練習について相談に乗っていただいたのですが、最初から驚きの一言が。
「夏は僕でもフルマラソンで走るペースよりも遅いペースですら、10㎞くらいしか走れませんよ。だから遅くてもいいから、とにかく距離を走って足を鍛えるようにしています、涼しくなったら走れるし、本番はもっと走れますよ。」
「練習でできないことでも、マラソン本番では、できてしまうこともある。マラソンは本当に面白いですよ。アドレナリンがでるからでしょうか。」
フルマラソン2時間20分の、私にとっては神ランナーの方からこんな言葉がでてくるなんて思いもしていなかったので、正直度肝を抜かれました。
それ以降は、本当に体が軽く感じる日に少し早いペースで走るだけにして、とにかく遅いペースでいいので、家の周りの道路を時間の許す限り距離を走るようにしました。
走ることはとても単純に見えますが、非常に奥深くて、とてもたくさんの要素が詰まっており、本当に繊細な競技です。虜にされています。内科医ですが、それ以外のことをもっともっと知りたくなっている自分がいて、そういった意味で、本当に初めて良かったな、と思っています。
8月下旬からは、YouTuberの方も多く取り入れられている、インターバル走を行うことにしました。
強くなるポイントは、距離を走り、そしてインターバル走(ポイント練習)を取り入れる、それを繰り返す、ことのようです。

本来であれば、しっかりリカバリーの時間なども設定しないといけないようですが、まだまだそういう細かい点は、これからですね。
最近は少し涼しくなったからか、体力がついてきたからかわかりませんが、少し走るのが楽になってきた気がします。
ともあれ、とにかくこれからも、まだまだまだまだ練習は続けます!!
スポーツ内科的相談事例について
前置きが長くなり申し訳ありません。
ここから最近頂いた相談についてまとめたいと思います。

スポーツ内科的相談 最も多かったのは…
みなさんも大体想像できるかもしれませんが、最も多かった相談は、この情勢ですので、「発熱」です。
基本的に現状の私は、外来診療ではなくSNSや個人的な知り合いのトレーナーさんや指導者の方から連絡を頂くことが多く、直接診療をしているわけではないため、一般的な意見しか言えないのが現状でした。
ただ相談の中には、「発熱のみを数か月から半年に1回繰り返している、原因が分かりません。」といった相談もありました。
こういった相談に関しては、詳細な問診やその都度採血データなどが必要であり、現在鑑別を挙げ、関係者の方とも協力して原因を追究しています。
スポーツが関係しているのかしていないのか含め、内科医が最も力を発揮すべき相談ですね。
可能性は低いかもしれませんが、膠原病などの自己免疫疾患、成人発症のPFAPAや家族性地中海熱なども含む周期性発熱症候群、慢性EBウイルス感染症などなど、ただのウイルス感染(風邪)をたまたま繰り返しているだけかもしれないですし。
可能性が低い疾患でも頭の片隅において、こそっと自分の病院の他の科の先生にも相談することもあります。
スポーツ内科的相談 脱水やコンディション不良
続いて多かったのは、やはり暑さによる脱水やコンデション不良です。
これに関しても詳細な問診が必要なことは間違いありません。
意外に体重の変化や尿の色など、把握していない方も多いので、そういったことを指導したり、タンパク質の摂取やサプリの摂取についても、私なりの指導法をお話しさせて頂くこともあります。
スポーツ内科的相談 消化器内科らしい下痢などの相談も
水分摂取量が増加するためか、脱水による虚血の影響が強いからか、下痢の相談を少し頂くこともありました。
これに対しても消化器内科的なアプローチを中心に対策を取らせて頂くことが多いです。
いずれにしても、内科医なので、詳細な問診を行い、自分の中にある改善法を、選手と話しながら決めさせて頂くことがほとんどです。
ちなみにこの半年は最近はオンラインでの勉強会も多く、まさに日々勉強、といった感じでした。
私が最近参加した勉強会についての記事も、是非ご覧になって頂けたら嬉しいです。
特に「ドーピング0会」に関しては、最近は女性アスリートの指導されている産婦人科の先生を交えた勉強会になっており、毎回非常に勉強になっています。
今後もできるだけオンライン講義に参加して、知識を蓄えたいと思います。
今回の記事のまとめ
今回は私のマラソン練習に関して、またスポーツ内科的な相談事例についてまとめました。
内科的な問題はすぐに改善できないことも多いですが、自分なりの選手へのアプローチをさせて頂けるよう、今後も勉強を重ねます。
今回は以上です。