アスリートの時差ぼけとその対策【2020年の医学論文をまとめました】

 
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今回は2020年の医学論文「アスリートの睡眠と時差調整」をまとめたいと思います。(生体の科学,71,2020)

  今回の記事を読んで頂くことで以下のような内容をご理解いただけます。
  • 対応しやすい時差ぼけと対応しにくい時差ぼけの違いとは?
  • 時差ぼけに対処するための方法とは?
  • 時差ぼけに対応するために上手く薬を使ってみては?

タイトルには「アスリートの」と記載されていますが、一般の方にも十分活用して頂ける内容ですので、是非最後までご一読下さい。

 

「対応しやすい時差ぼけ」と「しにくい時差ぼけ」

 

まず最初に、「対応しやすい時差ぼけ」と「対応しにくい時差ぼけ」があることをお話ししたいと思います。

それぞれ対応方法も少し異なりますので、しっかり理解していただければと思います。

 

西に向かうか東に向かうかで対応しやすさが変わる?

 

時差に対して対応しやすいかどうか、それは「西に向かうのか、東に向かうのか」で変わってきます。

 

例えば、日本時間で夕方の17時にロンドン(西)とロサンゼルス(東)に向かう場合を考えて見ましょう。

ロンドン:日本時間17時→12時間のフライト→ロンドン現地時間21時に到着

ロス:日本時間17時→12時間のフライト→ロス現地時間13時に到着

この例のように、西へ向かう時は、時間に差はあるとはいえ、そこから夜であることが多いです。しかし、東へ向かう場合には、日中に到着することが多く、そこから夜までさらに時間があります。

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また、早寝早起きより、遅寝遅起きが得意な人の方がが多いと思いますので、こういったことが西へ移動する方が調整しやすい理由の一つです。
 

時差ぼけに対処するための方法とは?

 

ここからは時差ぼけに対応する方法についてまとめていきたいと思います。

  ここでは2つの方法をご紹介します。

  • 自然にリズムを整える方法
  • どうしても難しい時に薬を使う方法
 

いずれも知っておいていただいて損はないかと思いますので、是非理解して頂きたいと思います。

 

時差ぼけ 自然にリズムを整える方法

 

時差ぼけに対応する1つ目の方法として、「自然にリズムを整える方法」についてお話させて頂きます。

 

まずはこちらの図をご覧ください。

 
 

さっぱりわからない。。という方もいらっしゃるかと思いますが、これから一つずつご説明させて頂きます。

 

時差ぼけ 具体的な調整法

 

ここでは西へ向かう場合をメインにお話しさせて頂きます。

西へ向かう時は、できるだけ遅寝遅起きをすることがポイントです(東ではその反対です、これは現地時刻との時差の関係からです)。

 

調整は約4日前から開始します。

西へ移動する場合、1日で30分毎に起床時間を遅くしていきます。

そして、現地での起床時間に合わせて、できれば強い光に当たることでリズムを少しずつ整えることができます。

大切なポイントとしては
この調整を始める前は、必ず7時間以上の睡眠をとること、そして、機内では現地の就寝時間以外はなるべく起きて過ごすことです。

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どれだけ対策を取るにしても、疲労がでてしまうものですので、移動が長い際には、その前の休養がとても大切ですね。
 

時差ぼけ どうしてもの時は眠剤も一つの手段

 

上記のような調整法でもうまくいかず、つらい時には、眠剤を使用してみるのがよいかもしれません。

 

睡眠覚醒リズムに強く関与する成分「メラトニン」

 

そのメラトニンの量を増やし、眠剤として、また睡眠覚醒リズムの調整にも役に立つ、それが「ロゼレム®」です。

   

この薬を現地時間から逆算して内服することで、睡眠覚醒リズムを現地での生活に適応しやすいように、ずらしていくことができます。

なるべく薬を使わないで調整していくことがbetterではありますが、なかなか調整が上手くいかない場合などは、こういった薬を試してみて、コンディションを合わせることも大切です。
 

この薬に関しては、有効性がデータによって異なること、また即効性がないので効果がすぐに出るかどうかわからないこと、そういった点も指摘されています。

 

しかし、眠剤として、臨床の場でも問題なく使用されている薬ですので、試して頂いて損はないかと思います。

 

時差ぼけ まとめ

 

時差ぼけ、またその対策についてまとめましたがいかがでしたでしょうか。

 
  • 現地の時間に合わせて就寝時間、起床時間を調整すること。
  • 高輝度光照射を使える場合には活用すること。
  • どうしても調節が難しい場合には薬剤の力も借りること。
 

これらが代表的な時差ぼけの対策になるかと思います。

 

処方には医師の処方箋が必要ですので、困っている方はぜひ相談してみてください。