成長期に最も身長が伸びる「成長ピーク」。
「成長ピーク」は成長期の中でも最も身長が伸びる期間であり、全ての成長期の方にとって、極めて大切な期間です。
特にジュニアアスリートにとっては、身長が大きな武器になることが多く、「少しでも背が高くなりたい」と思われる方は多いのではないでしょうか。
しかし、「成長ピーク」を最大限に生かすには、身長ばかりに目をむけていては、あまり良くありません。
では、身長が伸びるためには、何が重要なのでしょうか?
今回は、2000年度の女性の平均身長から算出した、高身長に到達した人(+2SD群)のデータを元に、「成長ピーク」を最大限活かすためのポイントについて考察していきたいと思います。
成長期のアスリートに関わる方には極めて重要な知識となりますので、最後まで読んでみて下さい。

もくじ
「成長ピーク」の基礎知識
繰り返しになりますが、成長期の中で最も身長が伸びる期間を「成長ピーク」と呼びます。成長期に入ってから、男子では平均して2.67年、女子では平均して2.06年で成長ピークを迎えると言われています。
それではまず、成長ピークの基礎知識を確認してみましょう。
成長ピーク 特徴と問題点は?
成長ピークの特徴と問題点、それは「体の発達による必要栄養量の急激な増大」と「部活動開始などによる生活や食習慣の変化に起因する栄養の不安定性」とされています。
成長ピークを迎える年齢は、男子ではおおよそ12-14歳、女子では11-13歳と言われ、ちょうど中学校に入り、生活が一変する時期に重なります。(おおよそ男子では小学校高学年から成長期に入り、中学生の時に成長ピークを迎えるということになりますね。)
余談ですが、中学時代には「買食い禁止」など、給食以外での栄養摂取がしづらかった記憶があるのですが、それは栄養面ではあまり良くなかったのでは?と感じています。
成長期をうまくマネジメントし、さらにその中の成長ピークを最大限活かすことができるようにすることが、身長の伸びだけではなく、競技力の向上やケガの予防、またスポーツ貧血などのスポーツ内科疾患を予防するために極めて重要であると考えられます。
「成長ピーク」の見抜き方とは?
ここからが最も重要なポイントとなる部分です。
「成長期なんて、人それぞれ長さも違うし個人差が大きい。だからピークを予測するのは難しい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんデータに関しては、統計学上の話ですので、全ての人に当てはまるのではなく、「そういう傾向があった」と言える程度かもしれません。
しかし、しっかりとした「差」が出ていますので、参考にして頂ければ幸いです。
成長ピーク ポイントは体重の増加!
まず、成長ピークに関する、あるグラフを見て頂きましょう。

これは、実際の典型的な女子の、成長ピークを可視化したグラフです。
見ていただくと分かる通り、13歳で急激な身長と同時に体重も増加していることがわかります。
ここでの体重増加は、主に筋肉の増加が原因であると言われており、さらに、
身長の伸びに対して並行に増えていく、ということが推察されています。
体重を定期的に計測し、以前と比べて明らかに増加率が上昇している場合には、「成長ピーク」に入り、栄養の必要量が増加している可能性が高いです。今まで以上に栄養摂取に気を使う必要がある、ということです。体重の増加率と同程度の身長の伸び率かどうか、確認し、栄養摂取に気をつかう必要があると考えます。
「成長ピーク」+αの知識として
これまで身長と体重の関係について述べてきましたが、また違ったデータもあります。
運動量などによって、成長ピークがどのタイミングで来るかは個人差があるようです。しかし、身長増加が体重増加より先に来るという報告はほとんど見られないので、個人差があるとはいえ、体重増加がキーポイントであるということに、変わりはないかと思います。
体重測定を毎日行うことで、成長ピークを見逃さないという利点以外に、成長に必要なエネルギーがしっかり取れているかを確認でき、ケガやスポーツ内科疾患の予防にもつながります。
簡単に測れるものですので、毎日同じタイミングで測定されることをお勧めします。
成長ピーク 最後に
本日は成長ピークに関する内容を書かせて頂きました。
どうしても身長に目がいきがちですが、体重測定が非常に重要になります。
毎日同じタイミングで体重を測定し、成長ピークを逃さないようにしましょう。
そしてそれが、ジュニアアスリートであれば、ケガの予防やパフォーマンスの上昇にも繋がると考えられます。