女性アスリート特有の問題と骨トラブル【疲労骨折の好発年齢とは?】

 

今回は

 

「女性アスリートの月経などの問題と骨トラブルについて」

 

です。

 

女性の診察の専門と言えば、もちろん産婦人科医であり

 

女性特有の問題(主に月経)や診察がある以上

 

産婦人科の先生との連携は、内科医にとってかかせません。

 

その一方で、女性アスリートの中にも

 

・そもそも自分の問題に気づいていない

・最初から自分で産婦人科を受診するのは恥ずかしくてできない

 

といった方々も少なくなく

 

まず内科医から問題提起をしたり

受診の必要性をお伝えすることで

適切にアドバイスさせて頂ける

 

といったこともあります。

 

何より

 

競技人生の後の、日常生活にも大きく影響する可能性もありますので

 

女性アスリートに関わる方は、知識として知っておくことも

 

非常に大切かと思われます。

   

では、女性アスリートの問題について考えていきましょう。

   

女性アスリートの3主徴

 

女性アスリート問題の特徴、有名な表があることはご存知でしょうか。

 
 

この表について解説しますと

 

①栄養不足になると、月経を起こすのに必要なホルモンの分泌(LH・FSHというホルモンです)が低下します

②その影響で、月経が止まってしまいます

③さらに、月経を起こすホルモン(LH・FSH)は「エストロゲン」と言われる女性ホルモンの分泌にも関与しており、「エストロゲン」の分泌が低下することで、骨粗鬆症を引き起こします。

 

医療者以外の方には、ホルモンの関係など、少し難しいかと思いますので

 

「栄養不足によって、女性ホルモンが減り、骨粗鬆症を引き起こす」

 

とざっくり理解していただければと思います。

 

月経がこない、特に3ヶ月以上そういった状態になる場合

 

必ず受診が必要と考えます。

 

そして、その先には骨のトラブルが潜んでいます。

 

月経トラブルについては、なかなか内科医が詳細に述べるのは難しい内容です。

 

もちろん、明らかな栄養不足が原因としてある場合もありますが

 

基本的には産婦人科の先生に診察を依頼することになるかと思います。

 

ですので、以下、骨のトラブルを中心に述べていきます。

 

「骨粗鬆症」 何が問題となるのでしょうか?

 

年齢とともに、骨の量が減少し、骨粗鬆症となります。

 

ご高齢の方の骨折として、背中の骨の圧迫骨折や、股関節の骨の骨折は有名ですが

 

これにも骨の量の低下が関わっています。

 

これが、若い人、すなわち、女性アスリートの場合

 

骨密度の減少は「疲労骨折」につながると言われています。

 

この疲労骨折が、選手生命を脅かすものであることはいうまではありません。

 

とある報告から、疲労骨折について、みていきましょう。

   

データが示す疲労骨折① 「骨の量の増え方」

 

まず、骨の量がどのように増えていくか、示されたデータですが

 

2010年のある報告では、7歳から急激に増加していき、18歳前後で最大骨塩量に到達することがわかった

 

と記載されています。

 

つまり

「成人する前に、いかに骨を増やせるか」

が非常に大切だ、ということです。

 

いったい、骨はどのように増えるのでしょうか??

 

骨の量の増加には運動が大切と言われていますが

 

運動によって微小な骨の損傷が起こり、その修復過程でカルシウムの沈着が促進され、骨の量が増加する

 

とされています。

 

つまり、骨が1番増える、成人の前までに、運動をすることによっていかに骨の量を増やし、蓄えることができるがが大切である

 

と言えます。

 

成人以降になると、増加するのではなく、維持する形となり

 

女性の場合、閉経後、骨の量が減少していきます。

 

先程述べさせていただいた、女性ホルモン(エストロゲン)は

 

「骨を破壊されることから守る作用がある」と言われています。

 

年齢を重ねること、または低栄養によって女性ホルモンが減ることで

 

骨を守れなくなり、骨粗鬆症や圧迫骨折、疲労骨折を発症してしまいます。

 

データが示す疲労骨折② 「疲労骨折が起きやすい年齢とは?」

 

結論からですが

 
疲労骨折がもっとも起きやすい年齢として、男性17.7歳、女性16.7歳、と示されています。
 

女性の16.7歳。これは高校生活の中で、1番大切な時期ではないでしょうか。

 

この時期に怪我をしてしまえば、最悪の場合、高校最後の試合に間に合わなくなる可能性もあります!

 

競技種目としては、やはり、陸上長距離が多い、という結果になっています。

 

私自身、「陸上競技の低体重におけるタイムの改善」に関してはまだ調べられておらず

 

今後調べてみたいテーマです。

 

この時期の疲労骨折は、将来的な骨トラブルにも繋がると考えられます。

 

思春期の疲労骨折≒十分な骨が蓄えられていない

 

ということになります。

 

年齢を重ねていった時に、若くして

 

背中の骨の圧迫骨折や股関節の骨折を経験する可能性がある!と言えます。

 

背中の骨の圧迫骨折や股関節の骨折が、日常生活に及ぼす影響について

 

若い時に考えるのは難しいと思いますので

 

そういった啓蒙活動も、スポーツに関わる人は

 

大切かと思います。

 

データが示す疲労骨折③ 「原因を取り除くことが何より重要」

 

疲労骨折の原因が、低栄養にあるとすれば

 

それを改善することが何より大切なのは言うまでもありません。

 

「栄養も取りつつ、体重も管理する」

 

公認スポーツ栄養士さんなどにも相談し

 

「適切な食事や体重管理を行うこと」が

 

何より大切です。

   

最後に

 

今回は女性アスリートの問題についてでしたが、いかがだったでしょうか。

 

栄養不足が、月経異常を引き起こし

 

さらに

 

現時点での疲労骨折の危険性を高めるだけではなく

 

将来的な骨トラブルの可能性も高めてしまいます。

 

適切な管理をすることで、十分に防ぐことができると思いますので

 

ぜひ、専門家に相談するようにして欲しいと思います。