腸の栄養と修復に重要な要素

 
Karasu
内科とスポーツの融合を目指す「NI×CE」のページです。 この記事を読んで頂いて誠にありがとうございます。
 

今回の記事では「腸自体の栄養」にスポットを当ててみたいと思います。

脳は糖やケトン体を自分の栄養として使用できますが、果たして腸はなにを栄養としているのか?

そういったことを紐解いてみますと、腸はかなりの働きものであるにも関わらず、とてもけなげでかわいらしい存在であることがわかりました。

腸の栄養以外にも、腸がダメージを受けた時の回復について、なども含めてまとめていきます。

できるだけ短くまとめたいと思います!

 

腸の栄養として重要な「グルタミン」

 

さっそく結論からではありますが、腸自体は主に「グルタミン(非必須アミノ酸)」をエネルギー源としている、と言われています。

「第2の脳」なんて言われているにも関わらず、糖は使わずにせっせと仕事をこなしています。

しかし
しっかりとグルタミンを補充することは、腸自体の栄養補給という側面だけではなく、体全体に非常に有益な作用をもたらすことが分かっています。

簡潔にまとまめると、下の図のように

●肝臓でのタンパク合成促進作用

●リンパ球増殖、機能強化による免疫力の向上

●腸管粘膜の形成、修復、腸管免疫脳の向上

といった、いかにも体にとって非常な有益な機能の維持、向上に必要な成分、それが「グルタミン」なのです。

 
 

実は、血中のグルタミン濃度は、ストレスがかかった時に減少すると言われており外因性のグルタミンが十分に補充されない場合には、体は筋肉を壊してグルタミンを産生しようとしてしまいます。グルタミンを一番体内で保有しているのは筋肉(約40%)といわれています。

具体的には
感染症にかかったときや外傷を負った時、体内に炎症があるとき、また激しい運動を行った際には、血液中のグルタミン消費が亢進、筋タンパクの異化亢進作用が働きグルタミンを産生します。

例えば感染が起きた時を例にとりますと、免疫グロブリンや炎症性サイトカインの産生、さらにリンパ球の活性化も必要となります。

それらにグルタミンが必要となり、血中グルタミン濃度が低下し、低下した分は筋肉を壊してグルタミンを産生して補おうとする、ということです。

 

グルタミンに関する具体的な実験をご紹介します。

 

少し抽象的な内容が続きましたので、具体的な実験の例を交えて、グルタミン補充の重要性を考察してみます(原文が読めなかったので、抄録をご紹介します。私の理解も申し訳ないですが部分的です。)

 
 

この論文で行われた実験について簡単にまとめてみます。

実験①
一時的にマウスの腸管を虚血に陥らせ、血流を再開させたマウスの腸では、グルタミンを投与することで、腸のダメージが減少し、透過性亢進の抑制効果(リーキーガットの抑制効果)がしめされた。
実験②
シスプラチンという、腸の粘膜にダメージを与える抗癌剤をマウスに投与、投与直後からグルタミンを投与すると、腸の粘膜のダメージが少なくすみ、かつ修復力も向上した。
 

この実験からわかることは、グルタミンを投与することで、腸の修復力が高まるだけではなく、防御力も亢進する可能性が高いこと、さらに、その効果は点滴でも、内服でも、どちらでも効果がある可能性が高いこと、ということです。

さらにいずれの実験でも、腸がダメージを受けた際にはグルタミンレセプターの活性が亢進すると考えられています。つまり、腸がグルタミンを欲している状態、ということです。

 

この実験を、人に当てはめてみると

●実験①からは、運動による腸の虚血によって腸がダメージを受けることが知られていますが、グルタミンがそれを軽減する効果がある可能性があること。

●実験②からは、消化に時間のかかるものや、グルテンなど、消化管にダメージを与える可能性のある食品を摂取したときに、腸管へのダメージを軽減する作用があること。

とおおよそ言えるのではないかと思っています。

 

グルタミンは非必須アミノ酸ではありますが、あなどれない存在ですね。

 

しかし補充するのにお勧めはグルタミンではない?

 

ここまでグルタミンの話をさせて頂きました。

確かに「グルタミン」補充が有益なのは間違いないと思っていますが、別の形で補充することがいいのではないか、とも考えられています。

それが「グルタチオン」です。

グルタチオンとは
グルタミン酸、システイン、グリシンから合成されるトリペプチドです。

ここから少し煩雑になってしまうので、読み飛ばして頂いてもかまいません。

理解頂きたいのは、グルタチオンがそれ自体でも非常に素晴らしい物質ですが、体に必要な物質の組み合わせでできている、ということです。

グルタミン酸はグルタミンの材料になるものであり、グリシンは、グルタミンと協調して、腸管の修復などに働く物質です。

システインというのもアミノ酸の1つですが、体にストレスがかかった時にメチオニンというアミノ酸がシステインに変換されます。

メチオニンシステイン
     ↑
    ストレス 

しかし、メチオニンというアミノ酸は、タンパク合成の開始コドン、つまり、スターター役になっており、メチオニンがないとタンパク合成が進みません。

ですので体にとっては極めて重要なものですので、十分量のシステインを補充しておくことで、メチオニンの量も保たれるだろうと考えられています。

 

グルタミンの原料だけではなく、タンパクの合成に必須の要素や腸管修復を助けるシステイン、グリシンも同時に摂取できるという意味では、グルタチオンの補充は極めて理にかなっていると考えられています。

かなり難しい話になってしましましたが、腸の修復や防御力を高めるにはグルタミンが重要であり、その補充方法の一つとして、グルタチオンという形で補充を行うと、付加価値がついてくる、と理解頂ければ幸いです。
 

自分も「グルタチオン」を摂っています

 

自分自身もグルタチオンの補充を行っており、腸の調子はとても良好です。

 

腸のことを考慮すると、消化と吸収力、防御力に着目することが非常に重要であると考えられます。

右の白いものがグルタチオンですが、左のアーゼライトは消化を助けてくれるものです。

私としては消化を助けてくれるものと、腸の健康を保ってくれる組み合わせてとして非常に良いコンビだと思っています。

アーゼライトに関しては以前にまとめた記事がありますので、こちらも参考にしていただければ幸いです。

海外トップアスリートも多数愛用!消化酵素でコンディションアップ「アーゼライト」

2020年11月8日
 

消化と腸の健康について学び続ける

 

今回は腸の健康を守ってくれるグルタミンについてまとめました。

 

食べるものや総カロリーについては気にしている方も多いかとは思いますが、腸自体の健康や吸収力、防御力に関してなかなか意識されていない方も多いかと思います。

 

今後もそういった情報について発信していけたらいいな、と考えています。