フルマラソンに適切な体重はあるのだろうか?

 
Karasu
内科とスポーツの融合を目指す「NI×CE」のページです。 この記事を読んで頂いて誠にありがとうございます。
 

今回は私にとっても深いテーマである「いったいどのくらいの体重がマラソンをするにはいいのか?」ということを考察してみたいと思います。

先日北海道マラソンを走ってきましたが、恥ずかしながらその時の私のスペックは164㎝、60㎏。

市民マラソンランナーとしてはやや?だいぶ?重めです。

【北海道マラソン2022】 サブ3達成はできたのか?

2022年8月29日

ただ本日の内容を考察する上では非常に計算しやすい数値なので、まあ良しとしたいと思います。

ちなみに本日の内容に関しては、職業柄いろいろ調べてはみましたが、あくまで完全に個人的観点からの考察であるという点をご了承頂きたいと思います。おそらくもっともっと知識をお持ちの方もいらしゃると思いますが、私自身細かい考察が苦手ですし、この手の話は個人差がありすぎて細かい考察に意味があるのかないのか。。。と思っていることもあり、かなりシンプルに考えてしまっています。

では私なりの考察についてまとめていきたいと思います。

そもそものきっかけは?

今回こういった考察をするのにはあるきっかけがありました。

私はTwitterで箱根駅伝出場校・駿河台大学の徳本監督の投稿を拝見するのですが、とある栄養摂取に対する質問に対して、徳本監督が以下の写真のように答えてらっしゃったことが気になりました。

この投稿の中の「ケニア人選手はネガティブにエナジーで省エネな体を作り、ミトコンドリア量も多く活発なため、長距離の能力を獲得している。」という部分です。

この投稿内容がきっかけで、実際に自分のデータや論文なども活用しながら考察してみようと思った次第です。

摂取カロリーとミトコンドリア

今回の考察の軸となる情報に関してですが、必要なカロリーに対して、摂取カロリーを制限すると、筋肉内のミトコンドリアが活性化することが知られています。

実際に必要カロリーに対して、食事制限で20%ほどカロリーを制限した群と、運動で10%+食事で10%の合わせて20%のカロリーを制限した群で、どちらもミトコンドリアの活性上昇が見られたとの報告があります。(Anthony E Civitarese. PLOS MEDICINE 2007)

これに関して私の職場にいらっしゃる公認スポーツ栄養士の方にも話を聞いてみましたが、こういった研究には以下の注意点があるとのことでしたのでご紹介したいと思います。

①確かにカロリーを制限することによってミトコンドリアの数が増えたり、活性が上がることが報告されているが、どのくらいカロリーを制限したら良いかに関しては報告によってまちまちである。

②確かにミトコンドリアの数が増えたり活性が上がることは報告されているが、それがアスリートのパフォーマンス上昇に直結するかに関しては一定の見解がない。

③実際のアスリートや学生競技者の栄養指導場面においては、どちらかというと摂取カロリーが足りない場合に生じる貧血やパフォーマンスの低下によって競技力が落ちている選手が一定数いて、人種の違いや栄養吸収能力なども含めた体質、などもあるかと思うが、少なくとも全員に当てはまるものではない気がする(栄養士さんの個人的見解)。

様々な選手の投稿などを見させていただくこともありますが、その中には1日1食にしたり、糖質を摂取したりしないようにして、かなり脂質代謝を活性化させて競技に取り組まれている方もいるようですし、このあたりは一体全体何がいいことなのか、正直まったくわかりません。

20%のカロリー制限を自分に当てはめてみると?

ここからは少し具体的に「私自身にこれを適応するとどうなるのか」を考えてみたいと思います。

まず体組成計で私自身の脂肪量を測定すると8.5㎏との測定結果でした。

様々な計算式があるかと思うのですが、私自身が最もわかりやすいかなと思っているこちらの計算式を用いたいと思います。

(現在の体重-脂肪の重さ)×28.5×身体活動量=必要エネルギー

これに当てはめて、おおよそ毎日練習をそれなりにすると考えると、消費カロリーが2500kcalから3000kcalになります。

※先ほどの式に当てはめて(60‐8.5)×28.5×(1.75~2.0くらい→私は30歳代なので)で計算してます。

ここでミトコンドリアのことを考えて、20%摂取カロリーを減らすとすると、約2000kcal-2400kcalを毎日摂取すればいいことになります。

20%摂取カロリーを減らした後どうなるか?個人的な考察

当然摂取カロリーは少ないので体重が減っていくわけですが、どこまで体重は減っていくのかを考えてみました。

本当は体重が減れば身体活動量も減る、というように様々な要素を考慮しないといけないとは思うのですが、とてもとても簡略化するため、2000kcalと2400kcalの間をとって2200kcalとし、身体活動量なども固定して計算してみます。

(現在の体重-脂肪の重さ)×28.5×(1.75‐2.0)=2200

すると脂肪体重がおおよそ40㎏前後となり、純粋な体重ベースで考えると45‐50㎏の間になります】(とてもざっくりですが)。

エリートランナーの体重を検索させて頂くと、170㎝で52㎏の選手であったり、「山の神」神野大地選手は165㎝で43㎏くらいと、まさに今回の計算式にだいたい当てはまる感じになっている。。

インタネットベースなので正確でないことは承知しているのですが、検索させて頂いたエリートランナーの方は、ある程度摂取カロリーを減らした状態での体重に落ち着ている印象です(少なくとも標準体重近辺ではなく瘦せていることは確か)。

私はそこまで絞るのは絶対に無理ですが、もしかするとエリートランナーと呼ばれる方々は、体重を絞りつつもパフォーマンスも落とさない(貧血にならず、かつエネルギー消費を抑えながら走ることができる)ところに落ち着いていく、ものなのでしょうか。

ただし外来に来て下さる選手の中には、このくらいの値で貧血を発症して走れていなかったり、不調でパフォーマンスが落ちている方もいらっしゃるので、とにかく絞ればいい、ということでもないのは、これを読んでくださっている方も感じられるところではないでしょうか。

やはり個人差があることなので、長く指導経験をお持ちの方や、公認スポーツ栄養士の資格をお持ちの方などに管理してもらいながら、自分の体と相談して練習と栄養摂取を進めることが最重要だと感じます。

マラソンと体重 まとめ

 

今回はマラソンランナーと体重についてまとめてみました。

 

私自身も理想的な体重はどのあたりなのか、今だにわからないというか、絞れないというか。。もうちょっと絞りたいというか。。

 

このあたりはもっともっと走りながら探っていくしかないような気もしていますので、体の生理的な反応に注視しながら、今後も探求を続けたいと思います。

pending next race 
大阪マラソン2023?