♯3、鉄剤注射の良いとこ・悪いとこ!【駅伝界でも使われている?】

今回も、この記事を読んで頂き、ありがとうございます。

今回は鉄剤注射に関して、私なりの考えをまとめてみたいと思います。

鉄剤注射に関しては、以前話題になったことはご存じでしょうか。

以下、yahooニュースの記事を引用させて頂きます。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kiyokotaniguchi/20181212-00107407/
 
この記事にあるように
鉄剤注射はカラダへの副作用があり、それを知っていただくことが極めて重要です。今回の記事は、それを知って頂くだけではなく、もちろん使用されるからにはメリットもあるはずですので、そういった点についてまとめます。
   

持久力アップ?鉄剤注射の良いところ(?)をまとめます!

 

まずは、鉄剤注射のメリットについて考察してみたいと思います。

本日紹介する論文は
動悸などの貧血症状があって病院を受診した、12歳から18歳の中・高校生が対象となっており、その学生たちに鉄剤を内服してもらい、貧血を改善する前と後で、データがとられています。

当然の結果かもしれませんが、この論文では、貧血が改善した後の最大酸素摂取量は全員が改善しました。

申し訳ありません。今回参考にさせて頂いた論文はFREEで見ることができないものでした。原著に関しては、以下の画像の引用を参考にしていただければと思います。

さらに、この論文の中では、やや古いですが、以下のような、興味深いデータが示されているのです。

上田 忠ら. 臨床スポーツ医学雑誌 1992年より

少しわかりずらいのでまとめさせて頂くと、ヘモグロビン値と最大酸素摂取量には正の相関があり、ヘモグロビン値が高いほど最大酸素摂取量が高いということが示されたのです。

こういったデータが示されると、「貧血があろうとなかろうと、できるだけ効率よくヘモグロビンを高くして最大酸素摂取量を上昇させ、少しでも早く走りたい。それなら経口より、点滴でしょ。よし、鉄剤注射を使おう!」という気持ちになってしまうのも、理解できないわけではありません。

経口摂取での鉄吸収の効率は、鉄剤注射に比べると、劣っているのは明らかなのです。

まとめますと、鉄剤注射のメリットとは、効率よくヘモグロビンの上昇、最大酸素摂取量の上昇効果をもたらし、タイムの改善が期待できる、ということになると思います。

 

重大な健康被害?鉄剤注射のデメリットをまとめます!

 

ここからは、鉄剤注射のデメリットを考えていきます。

不必要な鉄剤注射に関しては、すでに様々な組織などが使用しないように訴えています。

ここでは、元マラソンランナー 有森裕子さんの記事を紹介させていただきますので、ぜひご一読下さい。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42411730T10C19A3000000/?page=2
 

さて、話はかわりますが、みなさん、「脂肪肝」という病気をご存じですか?

余分な脂肪が肝臓に蓄積、肝臓にダメージを与えてしまう病気です。

鉄剤注射でも、これと同じようなことが起こります。脂肪肝の場合には肝臓のダメージが中心ですが、鉄剤注射で鉄が過剰な状態になると、余った鉄が全身に沈着、様々な問題を引き起こすのです。

これが、ヘモクロマトーシスという疾患です。

この病気、また鉄剤注射に関しては、以前にまとめた記事があります。

是非、そちらをご一読いただければ、ヘモクロマトーシスについて理解していただけるかと思います。

 

鉄剤注射に限らず、スポーツ診療は難しい。。

今回は鉄剤注射についてまとめましたが、スポーツ診療はとても難しく感じます。

今回の鉄剤注射のような薬の問題だけではなく、アスリート特有の病気や、処方薬のドーピングの問題など、通常の診療と異なる部分が多々あります。

自分もマラソン、テニスを中心にできるだけプレーを続け、選手目線を忘れないように、今後も様々なことを学びたいと考えています。