潰瘍性大腸炎とスポーツ選手【引退に追い込まれた選手が外来へ来られました】

 
 

私は消化器内科として経験を積んでいる最中ですが、「スポーツ内科」の勉強も並行して継続中です。

 

消化器内科的疾患で、スポーツの観点からするとどうしたら良いのか、迷ってしまう患者様が外来にいらっしゃり、今回色々と考えさせられました。

 

「潰瘍性大腸炎」を抱えた「アスリート」が外来に来られた!

 

この数ヶ月の間に、「潰瘍性大腸炎」に罹患された

元スポーツ選手が2人ほど外来にいらっしゃいました。

 

・女性、ある実業団チームで昨年秋までプレー

 

・男性、あるプロスポーツチームで一昨年までプレー

(個人情報を最大限隠しています。申し訳ありません。)

 

このお二人の共通点としては

 

「潰瘍性大腸炎」が悪くなり、自分が求めるパフォーマンスを発揮できなくなったため引退を余儀なくされた!

 

ということでした。

 

女性の方は受診ができず、しっかり薬を飲んでいなかったことも関与しています。

しかし

男性に関しては、しっかり受診していましたが

練習量の増加とともにパフォーマンスが低下してしまった

とのことでした。

 

診察をさせて頂いた時、すでにお二人とも引退をされていました。

 

もし

 

このお二人が現役選手だったとしたら

 

そして

 

今後そういった選手が自分の外来を受診されたら。

 

スポーツ活動自体が、病気の増悪因子となる可能性もあります。

       

ケガとアスリート

 

という事に関しては、復帰に向けた練習メニューや調整などトレーナーさんは詳しいと思うのですが

 

消化器疾患とアスリートの治療や復帰までの調整

 

という点に関して、私はまだまだ知らないな、と感じました。

 

加えて

 

内科的疾患は治療として薬がとても大切である以上、ドーピングの知識が欠かせないことを改めて再認識しました。

   

今回は

・病気の治療とスポーツ活動の両立を適切にアドバイスできるか

 

・適切な薬剤選択、TUE(治療使用特例)の申請に関して適切にアドバイスできるか

 

を考えたいと思います。

   

病気の治療とスポーツ活動の両立を適切にアドバイスできるか

   

スポーツ活動が、病気の悪化と関連している場合

何より個人差があることが大変難しく感じます。

 

同じ治療でも、全力でスポーツ活動に取り組める選手がいる一方で

 

お腹の調子が悪くなってしまう選手もいるでしょう。

   

潰瘍性大腸炎は、現在新しい薬がたくさん出てきています。

   

例えば普段のコントロールで頻用される薬に、5-ASA製剤というのがあり、これはドーピングにはひっかからないようです。

 

さらに、最長8週に1回点滴するだけで良い薬も登場しています。

 

それらをうまく使用し、選手が最高のパフォーマンスを発揮する手助けができるよう、普段からしっかり学びたいと感じました。

   

適切な薬剤選択、TUE(治療使用特例)の申請に関して適切にアドバイスできるか

   

潰瘍性大腸炎では、ステロイド(プレドニン錠)という薬を使用します。

 

同じタイプの薬としては、喘息治療に用いられる吸入薬にも同様の成分が含まれています。

 

このステロイドという薬は、ドーピングに関して、とても注意が必要な薬です。

 

ここから、ステロイド、ドーピング検査と治療使用特例(TUE)について、考えます。

   

ステロイドについて

 

ステロイド、という薬ですが

 

副腎皮質ステロイド

アナボリックステロイド

 

という2種類があります。

   

副腎皮質ステロイドは、一般的な治療で使われる成分です。

 

一方アナボリックステロイドとは

筋肉増強剤のことです。

 

テストステロン(男性ホルモン)

 

とほぼ同じ構造をしており、タンパク質を合成する力があります。

 

ボディ・ビルダーやメジャーリーガーが使用していることでも話題となりました。

 

副作用も強く、決して手を出してはいけないものです。

   

ドーピング検査と治療使用特例(TUE)

   

ここから先は、まだ勉強中ですが、少しだけ。

 

ドーピング検査には

 

「競技会」

 

「競技会外」

という2つの検査があるようです。

 

「競技会」とは

 

競技12時間前から競技会後

 

「競技会外」とは、「競技会」以外のタイミングです。

 

例えば、「プレドニン」というステロイド薬は、「競技会」の検査では禁止されていますが、「競技会外」では禁止されていません。

   

アナボリックステロイドはどちらでも禁止されています。

 

知り合いのスポーツファーマシストに聞いてみたところ

 

「競技会」のみで禁止、というのは、一時的にパフォーマンスを上昇させる可能性があるため禁止されている

 

どちらでも禁止というのは、筋肉を増やして体自体を強くするような薬などが当てはまる

 

とのことでした。

   

不整脈の薬には、手の震えを抑える作用があり、射撃などでは禁止されています。

 

競技中なのか、競技中以外なのか、スポーツごとにも違う。

 

とても奥深いですね。。

 

治療使用特例とは、それらの物質を治療目的でどうしても使用しなければならない時に

「検査で検出されても、しっかり申請していました。治療で必要なんです。」

 

ということを証明するために、事前に申請しておくことです。

 

具体的な方法については、今勉強中ですので、またご説明できればと思います。

   

最後に

   

今回は

・潰瘍性大腸炎の元アスリートが外来にいらっしゃったこと

 

・ドーピングについて

といった内容でした。

 

まだまだ勉強中ですので、今後アップデートできたらと思っています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。