今日はタイトルにもある通り、聞き慣れない方もいるかもしれませんが、「リーキーガット症候群」についてです。
この「リーキーガット症候群」ですが、消化器内科の観点からも、様々な体調不良の原因となる、非常に重要なものです。
今回、ある本を参考にさせて頂いていますので、より深く知りたい方は、ぜひ参考にされてください。
私は消化器内科医ですが、恥ずかしながら、あまりお腹の調子が良い方ではないのです。
どちらかといえば便秘気味、よく下痢もします。
そこで、日々いろんな本を隙間時間に読んで学んでいます。
外来では原因がはっきり分からないお腹の不調を訴えられる方も多く、そういった学びが非常に役に立っています。
このブログでも、消化器内科的な観点から、また私個人として試してみて、非常に手応えがよかったものを中心に紹介させて頂いています。
では、「リーキーガット」について一緒に学んでいきましょう。
もくじ
「リーキーガット」って?腸から漏れるってこと?
「リーキー」
情報がリークされる、などで使われますが、同意義です。まさに「漏れる」という意味ですね。
「ガット」
これは「消化管」「腸」という意味です。
そのまま訳すと、まさに「腸から漏れる」という意味です。
一体何が腸から漏れて、どう体に悪いのか、疑問に思われる方も多いと思います。ここから解説していきますので、この先を読み進めてください。
腸内細菌とタンパク質の取りすぎが原因の一つ
リーキーガット症候群の原因として、グルテンやトランス脂肪酸などの摂取が、腸内で反応(炎症)を起こし、「漏れ腸」の原因となると言われています。
具体的にはグルテンや、トランス脂肪酸を摂取すると、それらが腸内細菌たちの餌となり、腸内細菌が腸に有害な物質を作り出し、腸の壁に炎症がおきます。これが腸の壁を壊し、「漏れる」原因となります。
「トランス脂肪酸」が腸の壁を壊す!?
「トランス脂肪酸」は一度は耳にされた事があるのではないでしょうか。
トランス脂肪酸とは、人工的に水素を添加して作られたもので、水素を添加することによって固形になりやすくなります。
動脈硬化などを引き起こす、体に悪い物質というものはすでに知られており、海外では強く規制がかかっている国もあるほど、有害なものと考えられています。
具体的な理解はあまり必要ないかと思いますが、何に含まれているかを知ることがとても重要と思います。
ただ、これは簡単です。
「これは食べ過ぎない方が良いな」と感じるものには、ほとんど含まれています。
和食の文化は素晴らしい、と言われますが、この本を読むと、まさにその通りだなと痛感させられます。
「漏れる」が万病のもと!その原因は「炎症」?
ここまで腸の壁が壊されて、「漏れる」ということを中心に述べてきました。
ここから先は、なぜ漏れることが悪くて、どういった機序で異常を起こすのか、述べていきます。
異常を引き起こす原因とは、すなわち「炎症」です。
といったことがおきやすくなります。
炎症が起こる代表的なモノとして、「アレルギー」がありますね。
全身で炎症が起こることで、特に子供では、アレルギー体質を生み出し、大人でも様々な体調不調を引き起こすとされています。
確かに、体の中で過剰な炎症が毎日起きていると考えると、良いことではないことは容易に想像できます。
そう考えると、日々なんとなくだるかったり、気力がわかない、という症状の原因にもなりえますし、それがよりひどくなれば、「うつ病」などの病気も引き起こしかねません。
グルテン不耐症も同じこと??
以前、硬式テニスのジョコビッチ選手が、グルテン不耐症で、グルテンフリーにしてから成績が上昇した、という事が話題になりました。
これも、トランス脂肪酸の摂取と同じ様な事がおきています。
グルテンなどにアレルギーがあると、摂取することで、腸で過剰な炎症が起こってしまいます。
炎症が起きれば、それは体調不良につながることは、すでに述べさせて頂きました。
実は、パスタやパンを食べる事が多い、ヨーロッパの人に多い病気とされていましたが、最近は一定数日本人にもいると考えられています。
なんとなく調子が悪い、アレルギーがなかなか治らないという方は、実は小麦粉などの摂取が原因となっているかもいれません。
最後に
今回は、「リーキーガット」を中心に、「トランス脂肪酸」「グルテン不耐症」など書かせて頂きました。
今後もまだまだ本をたくさん読んで勉強し、このブログで紹介できればと思います。
この本は本当にいい本ですので、ご一読ください。