【練習後のケアを大切に!】激しい運動後は免疫力が下がることが示されています!

今回は、「運動が免疫機能にどのような影響を与えるのか」考察していきます。

「適度な運動ってカラダにいいって聞いたことがあります!」という方は多いと思いますが、スポーツ選手は、非常に高強度な練習を高頻度で行うことが多く、疲労が蓄積しやすい状態です。

この記事を読んで頂くことで激しい運動が免疫機能にどのように影響するか知っていただけると共に、運動後のケアの重要性を再認識して頂けると思います。

 

まずは免疫機能に極めて重要な「好中球」の話

免疫を理解するうえで重要なのが、体内に入ってきたばい菌を殺菌してくれる白血球という細胞、そして白血球にも様々な種類の細胞がありますが、その中でも特に「好中球」という細胞です。

難しいことは何もなく、好中球を理解するうえで重要ポイントは3つだけです!

  • ばい菌のところへ集まる機能(遊走性といいます)

  • ばい菌を捕食する機能(貪食能といいます)

  • 食べたばい菌を殺菌する機能(殺菌能としておきます)

ざっくりまとめると、「①ばい菌のもとに集まり、②ばい菌を食べ、③好中球の体内でばい菌たちを処理する」という、①から③の機序で、好中球たちは、ばい菌からカラダを守ってくれるということですね。

ちなみに殺菌は、ばい菌を取り込んだ後、酵素を使って行われます。

分かりやすい図があったので、引用させて頂きます。

https://www.qlife.jp/dictionary/item/i_010940000/

これら3つの能力が、激しい運動によってどのように変化するかが、極めて重要な問題であり、すでに皆さんお察しかもしれませんが、遊走能、貪食能、殺菌能、どれが低下しても、免疫に影響を及ぼします。

では、運動によって、好中球がどのような影響を受けるのか、いい影響なのか、悪い影響なのか、この次に考察しますので、是非続けて読んでください。

 

運動と免疫力の関係をまとめます!

これまで運動と免疫力の関係に関しては、様々な競技や対象者で研究がなされてきました。

そして概ね似たような結果がでており、とても参考になるかと思います。

以下、その研究をまとめてある表を示します。

実際に行われた研究をみてみましょう!

この表は①日々の練習 ②試合後の測定 ③合宿中の測定と上から順に分けられています。

そして、表の右側のROS、PA、SOAについてざっくり説明させてもらいます。

ROS

ROS=Reactive oxygen species production cabability

これは、ばい菌を好中球が飲み込んだあとに、ばい菌を殺菌する酵素を作る力を測定したものです。殺菌能の指標です。

PA

PA=Phagocitic activity

これらは好中球がばい菌のところまで到着した後に、ばい菌を食べる力です。貪食能の指標です。

SOA

SOA=Serum opsonic activity

これに関しては好中球の力自体の能力ではないのですが、好中球がばい菌を探す際に、見つけやすいようにばい菌に目印をつけておいてくれる細胞がいて、その目印をつける能力を測定したものです。体の中でも助け合いの精神ですね。目印が多くある方が好中球も遊走(ばい菌のところに行きやすくなる)しやすくなるため、好中球機能との相関があることが示唆されている数値です。高ければ好中球機能が高い、低ければ好中球機能が低い、となります。

結果の見方をまとめます

表をみて頂くと、「PA=貪食能」が全部下がっているから、運動すると、好中球はばい菌を食べれなくなるということ?つまり免疫がさがってしまうのか?

と思われるかもしれません。

実はこれは測定の都合です。どうしても採血をして、機械にかけるまでに時間差ができますので、PAは下がってしまいます。

  • 正常→ROSの上昇、PAの低下

  • 好中球機能の低下→ROSの低下、PAの低下

となっていますので、これを参考にもう一度表をみてみましょう。

 

運動強度、運動期間での免疫能の差が歴然!

この表をみて頂きますと、差が歴然かと思います。

簡単にまとめてみます。

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は image-6-1024x627.png です
通常トレーニング期(Usual training period)

ここでは柔道選手、相撲選手の約2-3時間程度の通常練習での結果が示されています。いずれもROSは上昇、PAは低下となっており、好中球機能には問題を認めていません。

試合もしくはレース(Game or race)

ここではフルマラソン、ラグビーのゲーム後の結果が示されていますが、ROSは低下、PAも低下となっており、好中球機能の低下が認められています。

合宿期(キャンプ期)

キャンプ期に関しても、キャンプ前はROSは上昇、PAは低下と通常の状態ですが、キャンプ後はいずれも低下しており、好中球能の低下が示唆されます。

このように、通常練習では好中球能の低下は認められませんが、激しいトレーニングや試合後、また合宿後には好中球能が低下する、という報告がほとんどです。

また、3時間程度の練習でも、食事制限をしてエネルギー不足の状態では、好中球能が下がるという報告もあるようです。

このように、当然と言えば当然ですが、医学的にも、疲労が非常に強く蓄積する状態では、免疫力が下がることが証明されています。

疲労困憊時には免疫が下がります。運動後の着替えや食事など、とにかく体調を崩さないように注意が必要です。

 

最後に

今回は運動の免疫の関係を考察しました。

想像通りの結果かもしれませんが、大事な試合での体調不良だけは避けたいですね。

しかし、そのためには、普段からのケアも手を抜かないことが重要です。

明らかに医学的にも激しい運動後は免疫力が下がりますので、注意しましょう。